こんにちは! すっかりブログのサボり癖がついたわっしーです。
今日は、最近勉強していることについて。
以前hanaの編集後記に書いたことがあるのですが、いろいろな言語の勉強をする中で、最近は手話に興味を持つようになりました。
手話は音声による言語と同じく、単語があり、文法に基づいて文を作る、れっきとした言語です。
手話は世界共通ではなく、音声言語と同じように地域それぞれの手話言語があります。
日本で使われている手話は日本手話ですし、韓国で使われている手話は韓国手話、アメリカで使われている手話はアメリカ手話です。アメリカ手話と、イギリスで使われるイギリス手話はまったく別の言語で、お互いに通じません。一方で、日本手話と韓国手話は共通性が高いと言われていて、同じ「語族」であるとする見方もあります。
また日本手話の中でも、地域ごとに独特の単語や表現があります。つまり、方言があります。さらに、世代差が大きいことも知られています。このように地域や世代ごとに言語が異なるという点は、音声言語とまったく変わらないんですよ。
編集後記では「いつか韓国の手話も勉強したい」なんて書きましたが、一度書くとすぐその気になるので、それから少しして韓国で出ている手話の本を買ってしまいました。
韓国語では수화(手話)と수어(手語)という用語があり、使い分けがされています。
近年、手話が独立した言語であるという点が広く知られるようになってきたこともあり、それを強調する意味で、最近はこういった本の書名に“수어”を用いたものが多いです。
とはいえ、一般にはこれまでと変わらず수화がよく使われているみたいですね。厳密に言うと、一般に수화と呼ばれるものの中には、수어であるものとそうでないもの、その中間的なものまでが全て含まれています。聞こえない人や聞こえにくい人が手や表情などを使ってコミュニケーションする手段を全てまとめて수화と呼んでいる、と考えるのが良さそうです。
写真の左は『농인과 함께하는 한국수어』で、ろう者(聞こえない人のことです。韓国語では농인といいます)と一緒に学べるよう作られた韓国手話の学習書です。第1課、第2課という感じで語学書の形になっています。
右は『한국 수어학 개론』で、手話研究の概説書です。手話言語学における音韻論、形態論、統辞論、意味論といった各分野の概論、それから手話通訳の話など、基本的なことがらを網羅した本です。
左の語学書のほうをぱらぱらと眺めていると、ソウルのいろいろな地名を韓国手話でどう表すかが載っていました。
多くの手話には、アイウエオやㄱㄴㄷㄹ、ABCなどの文字を一文字ずつ手の形で表す「指文字」がありますが、よく使われる固有名詞は指文字で表さずに一つの単語になっていることが多いです。
地名の場合、地形をかたどって表したり、その土地の名所や特産物などに由来していたりと、さまざまな語源があります。日本手話の場合だと、例えば「北海道」の手話はひし形の地形をかたどっていますし、「広島」は厳島神社の鳥居を、「福岡」は博多帯をそれぞれ表しています。
ソウルの地名の場合はどうでしょうか?
この本には語源に関する情報がないので、はっきりとしたことは言えませんが、例えば왕십리には「왕(王)」に当たる単語が使われていることが写真から読み取れます。왕십리の왕は「往」であって「王」ではないのですが、ハングルが共通しているため借用したのでしょう。
それから홍대は、ㅎを表す指文字の後に「대학(大学)」を表す単語を続けているようです。「ㅎ대」のように示しているということですね。
마포は、「복숭아(桃)」という単語を使って表しています。麻浦と桃との関連がよく分からないのですが、桃にまつわる何かが麻浦にはあるのでしょうか? もしご存じの方がいたら教えてください。
日本で韓国手話を勉強しようと思うといろいろと大変ですが、韓国語とはまた違った切り口で韓国のことをいろいろと知ることができるのではないかと思い、細々と続けています。
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