アンニョンハセヨ、営業のさだもんたです。先月(2023年2月)、3年ぶりに韓国に行ってきました。この間、K-ETA(≒ESTAの韓国版)が導入されていたりVisit Japan Web(帰国時の検疫・入国審査・税関申告のワンストップサービス)が始まっていたりと、自分自身へのしくみアップデートもしなければなりませんでした。
そんな中、新しいしくみができると古くなってしまうものもあります。今回の渡韓で、私がマムリ(마무리/仕上げ、締めくくり)しようと思ったのが、キョトンカード(交通カード)のチャージ額返金。ですが、先にお伝えしておくと、いまでもキョトンカードは、限られたエリアではありますが、ソウル市内・近郊のバス、首都圏の一部地下鉄では使えます。
なぜ、このようなことをしようと思ったかというと、Tマネー(現在主流の韓国の交通系ICカード)は、カード間でチャージ額(充填額)の移し替えができるのですが、キョトンカードはチャージ額の移し替えができないからです。初乗り料金(1,250ウォン/2023年3月現在)以下のチャージ分は、返金以外にサルベージする術がないのです。また、後述の期間中、下宿先のお母さんが「キョトンカードは保証金の返金ができる」と言っていたことがずっと頭の片隅にあったからです。
私がキョトンカードを初めて手にしたのが2002年。ソウルに語学留学をしていた時でした。私の交通系ICカードデビューは、日本のSuicaよりも先にキョトンカードでした。よく見ると、キョトンカードの発行は「ソウル市バス組合(ソウル特別市バス運送事業組合)」。地下鉄ではなくバス事業者が先導していたんですね。参考までに、2002年当時のソウルの地下鉄・バスの料金は600ウォン、マウルバスが350ウォンでした。そして市内バスは黄色で、路線番号の付け方も今とはまったく違っていました。
キョトンカードが、当初は空港リムジンバスでも使えていたのがいつのころからか使えなくなるなどどんどん使用範囲が狭まっていったのとは対照的に、Tマネーは、2014年に全国互換Tマネーカードが販売され韓国国内のどこでも使えるようになるなど、進化を遂げてきました。
2月の渡韓前に情報収集したところ、「キョトンカード」は「Uパス」になり、最終的には2014年「Tマネー」に統合され消滅したとのこと。また、下宿先のお母さんが言っていたカード保証金については、1998年〜2001年販売分のカードについてのみ存在しており、以降のキョトンカードは、保証金(1,500ウォン)と同額がカード購入額という名目になっていて返金不可ということが分かりました。
こうしてみると、2014年が韓国の運賃支払システムの転換点となった年ともいえます。ちなみに、バス通行レーンの中央化などハード面や運行システムの整備はその前から行われていました。
ということで、今回ソウル入りして向かったのは、Tマネーの本社があるソウルシティータワー。ソウル駅の真向かい(東側)にあります。ソウルシティータワーの1階に「T-money Town」というTマネーの広報体験施設があり、ここが返金手続きを行う場所となります。
カウンターにいる人にキョトンカード返金の旨伝えると、すぐに現金でチャージ分を渡してくれました。手数料はかかりません。
カウンターの人に話を聞くと「キョトンカードの返金対応をしている場所は、ソウル市内ではここ(T-money Town)だけ、また韓国国内でももはや3箇所だけで、ソウルと釜山、それからもう1都市のみ」とのことでした。
使わないキョトンカードが手元にある人は、返金手続きの参考にしてみてください。ただし、T-money Townの営業時間は平日の9:00〜18:00です。
なお、返金を受けるとキョトンカードは返却することになるので、思い出を残したい人は、サルベージできないチャージ分はあきらめ、カードを手元においておくのがいいですね。
ちなみに、前述の「Tマネーでカード間のチャージ額移し替えができる」ことは知らない人も多いので、できる場所と依頼フレーズを記しておきますね。
■地下鉄の事務室(人がいるところ) や
■Tマネーのチャージができるコンビニ で、やってくれます。
これも手数料はなし。コンビニはシステムとしてはできるのですが、対応してくれる(カウンターにいる)人の練度によります。
2枚のカードを手に持ち、対応してくれる人に
□이쪽의 잔액을 이쪽 카드의 잔액과 합칠 수 있을까요?
(こちらのチャージ額をこちらのカードのチャージ額と合わせることはできますか?)
□이 두개의 카드 잔액을 한 카드로 합치고 싶은데요, 가능할까요?
(この2枚のカードのチャージ額を1枚のカードにまとめたいのですが、できますか?)
などと言えばOKですよ!
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