※このコーナーは、『韓国語ジャーナル hana』の定期購読者に送付されている会報誌『hana通信』の「わっしーのマニアック韓国語」を再編集したものです。
今回のマニアック韓国語は、二つの要素が詰まった単語の話をお送りします。
一つ目の例は、모르다(知らない、分からない)です。모르다が알다の否定であることはご存じですよね。実はこの모르다、形こそ一単語ですが、中身を分解すると「안+알다」でできているような使われ方をすることがあります。
例えば、「私の気持ちを分かってくれる」のような場面で使う알아주다という単語があります。それでは「分かってくれない」は何と言うでしょうか? 알아주다の前に안を付けようとすると、안 알아주다ではなく、몰라주다という形になります。
直訳すると「分からないでくれる」ですが、「分かってくれない」という意味になります。안と알다が隣り合うと、融合して모르다になってしまうのですね。このようなとき、모르다には否定の要素と알다という要素が詰まっていると考えることができます。
二つ目の例は보내다です。「送る」という意味ですが、この単語は「行かせる」の意味でもよく使われます。そのため、見方によっては가다の使役形と考えることができます。
例えば、「ある女性が結婚する」という意味で시집가다(嫁に行く)が使われますが、使役形にして「ある女性を結婚させる」と言うときには시집보내다(嫁に出す)という形に変わります。
また돌아가다(帰る)という動詞は、直訳すると「回り行く」という構造ですが、「子どもを家に帰す」のような使役形にすると、돌려보내다(回し行かせる)となります。돌다(回る)が돌리다(回す)に、가다(行く)が보내다(行かせる)になり、両方とも使役形になるわけですね。
これらのことから、보내다の中には、가다の要素と使役の要素が詰まっていると考えることができるのです。
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