※このコーナーは、『韓国語ジャーナル hana』の定期購読者に送付されている会報誌『hana通信』の「わっしーのマニアック韓国語」を再編集したものです。

【マニアック韓国語 Vol.11】지と줄の話

韓国語のネイティブでも、使い分けが難しい形というのはたくさんあります。今回はその中で、連体形の後に続くの話をします。

連体形の後に続く지は、連体形と一緒になって、一つの語尾として扱われます。-는지、-ㄴ/은지、-ㄹ/을지などがあり、文中で使われて「~するのか、~なのか」という疑問を表します。

一方、連体形に続くは依存名詞として扱われ、直前の連体形とは分かち書きをします。「~すること」「~する方法」「~する事実」などの意味を表します。

この二つは、学習者からすると意味がかなり違うようにも見えますが、ネイティブにとっては近く感じられるようで、混同されることがよくあります。例えば、以下のような場合に混同されます。

학생인지 몰랐어요
(学生かどうか分かりませんでした)
학생인 줄 몰랐어요
(学生だとは思いませんでした)
값이 얼마인지 알아요?
(値段がいくらなのか知ってますか?)
값이 얼마인 줄 알아요?
(値段が一体いくらだと思ってるんですか?)

まず①と②は、意味が大きく違いますが、形が似ているためによく間違えられます。日本語訳を見れば、その違いがよく分かります。①の학생인지は、学生なのかどうかという事実を一番の問題にしています。

一方、②の학생인 줄では、「学生である」という事実は確かなのですが、それをつい先ほど知ったということが重要な部分になります。줄という依存名詞が「事実」「~すること」を表すため、このような意味になるのです。

③と④は、どちらも共通して「金額に関する質問」であるため、①と②よりもさらに混同されやすくなっています。③の얼마인지は金額を質問しているわけですが、疑問文の形式の上では「知っているか知らないか」を問う形になっているため、Yes/No疑問文になっています。つまり、一言目に「はい、知っています」「いいえ、知りません」のどちらかで答えることができる疑問文ということです。

それに対して、④の얼마인 줄は「いくらだと思っているのか」という疑問文なので、具体的な額を問うWH疑問文になっており、③とは疑問文の形式から違っていることが分かります(ただし、これらはあくまで疑問文の形式上の違いであって、実際の会話では③に対して額を答えたり、④に対して釈明をしたりするなど、さまざまな対応が行われる可能性があります)。

また、③では알아요?が聞きたい箇所なので、ここが強調されて発音されますが、④では얼마が聞きたい箇所なので、ここが最も強く発音されることになります。このように、発音にも違いが出てくるのです。

しかし、ネイティブでもこれらの違いが曖昧になってきています。例えば、形の上では③でありながら、発音上は얼마を強調するといった逆転現象が、ドラマの演技などでしばしば見られます。

学習者としては、学習書に書かれていることを覚えつつ、ネイティブが混同しやすい表現が何なのかを知っていくことが大事だと言えるでしょう。