昨年のGWに書いた「対馬行き」の続きを書かないまま年が明け、はや2月。
遅ればせながら続きを…。
対馬での休暇を終えてソウルに戻った私は、
カードの本の検品をするために印刷工場に行きました。
工場は九老区のはずれ。かつてカリボン(加里峰)洞と呼ばれ、
女性工場労働者を取り上げた映画「九老アリラン」や
シン・ギョンスク氏の小説の舞台になったあたりです。
現在駅名は「加山デジタル団地」に代わりました。
私と本の担当編集者Mが工場に着いたのは午後4時。
工場は3交代制で、夕方〜夜のシフトは韓国人のアジュモニたちが主力で活気があります。
基本的な流れは、韓国人の親方が孔開け加工を行い、パートの方が手作業でカバーを巻いて、
スリップを投げ込んだあと、梱包するというもの。
3000部をチェックするのが今日の仕事。さっさと終えて帰るつもりでしたが、
これがやってもやっても終わりません。ついに夜12時、次のシフトに交代する時間。
若い女性たちがゾロゾロ出勤してきました。昼間大学に通う中国人の留学生さんだそうです。
朝まで働いて、そのまま大学に行くとのことで、本当に大変ですね
深夜のシフトに代わった後、最初は静寂の中で作業が進みますが、夜が深まるにつれ、
だんだんと留学生同士の私語が始まります。小鳥のさえずりのような北京語のおしゃべりが
朝の雀の大合唱のようになった頃合いを見計らって、親方が「黙って働け!」とどなります。
しばらくは静かになりますが、やがてさえずりが始まり最後に親方が怒鳴るというパターンを
朝まで数回反復しました。どうも留学生たちは韓国語がおぼつかないらしく、
親方とのコミュニケーションはいつもこんな感じみたいです。
親方も独りぼっちで大変です(韓国人は親方だけ)。孤軍奮闘といったところですが、
休憩時間にふらっと姿を消したと思ったら、真っ赤な顔でもどってきました。
焼酎の力で孤独感と疲労を紛らわすのですね。
それにしても3000部はかなりの数量でした。親方のスピードに合わせて、我々も休みなし、
機械になりきって検品を続けましたが、すべて終わったのは夜が明けて。
ボロボロになって始発電車でホテルに戻りました。
「楽勝だよ」の言葉を信じ、ヒールにスカート姿で現れて徹夜の工場作業をこなしたMさん、
ご苦労様でした!
写真は、晩ご飯でいただいた工場飯(キムチチャーハン定食)。めっちゃ美味しかったです