※このコーナーは、『韓国語ジャーナル hana』の定期購読者に送付されている会報誌『hana通信』の「わっしーのマニアック韓国語」を再編集したものです。
濃音化といえば、学習者の皆さんの天敵!この単語は濃音化するのかどうか、ここで濃音化が起きるのはなぜか、辞書や学習書を常に確認しているという方も多いと思います。
今回は、辞書や学習書でもなかなか確認することができない細かい部分の濃音化についてお話しします。
名詞と名詞がくっついて複合名詞になると、後ろの名詞の最初の子音が濃音化することがあります。
例えば、술(酒)と집(家)がくっつくと술집(居酒屋)になり、発音は[술찝]になります。
このとき、もし前の名詞が고기(肉)のように母音で終わっていれば、고깃집[고긷찝](焼き肉屋)のように사이시옷(名詞と名詞をつなぐ役割を持つㅅのこと)が入るので後ろの名詞の濃音化がすぐに分かりますが、술のようにパッチムで終わっている名詞の場合は사이시옷がないので、文字からは濃音化を確認することができません。
술집の場合は、複合名詞として辞書に載っていて発音も書かれているため、濃音化が起きるということがすぐに確認できます。ですが、「単語」と認められなければ辞書に載らないので、同じように濃音化が起きていても辞書で確かめられないものがあります。
その例の一つが、속(中)という単語です。속は位置を表す名詞なので、他の名詞の直後に置かれてA 속(Aの中)という形で使われることが多いですが、そのとき常に濃音化を起こして[쏙]と発音されます。
속が後ろに付く名詞の中には複合名詞として辞書に載っているものもあって、例えば마음속[마음쏙](心の中)や머릿속[머리쏙](頭の中)などはその例です。
一単語の複合名詞なので分かち書きせず、사이시옷も書きます。ですがその他、구름 속[구름 쏙](雲の中)やPC 속[피씨 쏙](パソコンの中)のように辞書に載っていないものでも、속は全て濃音化します。
辞書に載っていないものは、分かち書きをして、사이시옷も書きません。そのため発音が調べにくいですが、名詞の直後に置かれて「~の中」という意味を表す속は必ず濃音化するということを覚えていればOKです。
また、「~色」を表す빛も、分かち書きして사이시옷がなくても濃音化します。
핑크 빛[핑크 삗](ピンク色)や에메랄드 빛[에메랄드 삗](エメラルド色)、올리브 빛[올리브 삗](オリーブ色)などがその例です。
辞書には빛が付いた色名もたくさん載っていますが、辞書に載っていなくても、特に에메랄드などの外来語に빛を付けていくことによっていろいろな色名を表すことができます。このときの빛も、全て濃音化します。
この他、「誰々のもの」を表す거は내 거[내 꺼](私のもの)や오빠 거[오빠 꺼](お兄ちゃんのもの)のように濃音化しますし、小数点を表す점も常に濃音化して4.3[사 쩜 삼]や2.7[이 쩜 칠]のように発音されます。
このような濃音化も上で示した속や빛と同じく、前の単語に付属的にくっついて複合名詞のように扱われるためだと考えることができます。
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